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調査データからみるモバイル動画広告の現在と今後

デスクトップ広告は衰退

世界的にスマートフォンの普及率・ユーザー接触時間が急伸する中、インターネット広告の主戦場もデスクトップからモバイルへシフトをしています。
先日(2017年4月27日)、IABが発表した「インターネット広告収益レポート」によると、米国のデジタル広告費の51%がモバイル広告に費やされており、デスクトップ広告を超えたことが明らかになりました。
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また、ほぼ同時期(2017年4月17日)に日本の大手メディアレップであるCCIとD2Cが共同発表した日本国内のデジタル広告費に関する調査レポート「2016年 インターネット広告市場規模推計調査」によると、国内のモバイル広告はデスクトップ広告を2014年には上回っており、その後も差が広がっていること明らかになりました。2016年度はインターネット広告費の6割以上がモバイル広告になっているのです。
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世界的にモバイル広告がインターネット広告のメインとなり、デスクトップ広告は全体として衰退していくことが予想されます。

広告フォーマット別ではモバイル動画広告が急成長

今回のIABの調査の重要トピックスとして注目を集めたのは、その急伸するモバイル広告のなかでも動画広告が最も伸長率が高かったことです。米国での2016年モバイル動画広告は前年比2.5倍と、他の広告フォーマットの中で最も大きく伸びています。iab-mobile

モバイル動画広告費はデスクトップ動画広告費にも迫っており、2017年にはデスクトップ動画広告を軽く超えることが予想されます。
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一方、日本国内の動画広告費は、サイバーエージェントによる「国内動画広告の市場調査」(2016年11月は発表) によると、2015年にはすでにモバイル動画広告費がデスクトップ動画広告費を超えており、今年2017年にはモバイル動画広告が動画広告費の75%超のシェアになると予想されています。ca-video

このように日本でもアメリカでもモバイル動画広告費が大きく伸びているのですが、その背景には、テレビへの接触時間がが相対的に減少し、モバイルへの接触時間が急激に伸びていることがあります。博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の「メディア定点調査・2016」によると、過去10年間、テレビをはじめマスメディアの接触時間シェア率は年々低下し、モバイルの接触時間のみが急増しています。
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年代・性別でみると、10~20代では男女ともスマートフォンへの接触時間はテレビへの接触時間を超えています。mediahikaku

今後、従来の地上波テレビへの競合となる、Netflixのような動画配信サービスが普及していくことも考えると、若い世代への地上波テレビの影響力は大きく低下していく可能性があります。

このようにメディア環境が大きく変化していく中、大手広告主がテレビCMでは十分にリーチできない層へのアプローチ手法としてモバイル動画広告に取組む事は自然な流れといえます。

資生堂が取り組むデジタルブランディング~テレビCMの届かない層へ動画広告でリアルタイムに補完http://markezine.jp/article/detail/24620

日本とテレビの環境は異なりますが、米国では既に大手広告主を中心に、テレビCMの予算を動画広告へシフトさせる動きもでています。日本の大手広告主でそこまでダイナミックな動きをしている広告主は聞かず、テレビCMの効果を補完するために動画広告予算を追加する動きが多い気がしますが、日本でもテレビの影響力が低下し続け、モバイル動画広告の配信環境がさらに魅力的になっていけば、米国と同じように、テレビCM予算を動画広告予算へシフトさせる動きがでてもおかしくありません。

伸びていくアウトストリーム型動画広告

さて、モバイル動画広告と言っても、大きく、インストリーム型とアウトストリーム型に別れます。モバイル動画広告ではどのフォーマットが今後伸びていくでしょうか?

D.A.コンソーシアムホールディングスの2017年3月期の決算報告書によると、DAC単体での4Qでの動画広告売上高は、アウトストリーム型(インバナーとインフィード/インリード)は約28億円で、インストリーム型は約17億円となっています。すでに動画広告売上の62%がアウトストリーム型で、38%がインストリーム型です。2017/1Q〜4Qを通してアウトストリーム型の売上が大きく伸びている一方で、インストリーム型は売上は伸びておらず、頭打ちの状態です。
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サイバーエージェントによる「国内動画広告の市場調査」(2016年11月発表)でも、動画広告のフォーマット別市場規模予想がされていますが、「2016年も引き続きインストリーム広告が市場全体の半分以上を占め439億円に成長し、主流は変わらないものの、成長著しいインフィード広告は197億円、前年比約2.5倍に急増。」とコメントされており、アウトストリーム型広告の勢いが確認されています。
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アウトストリーム型動画広告のシェア率が高まってきている要因として、インストリーム広告の在庫がなかなか増えない一方、アウトストリーム広告の在庫が増えてきていることや、デスクトップよりもより、能動的に至近距離で接触するモバイルにおいて、プリロール広告など強制的に配信され、一定時間スキップができないインストリーム広告を嫌がるユーザーが多いことなどが関係している可能性があります。

モバイル動画広告でアウトストリーム動画広告の売上がインストリーム動画広告を超えることは十分に起こりえるでしょう。

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